<Vol.13> 「日本代表VSブラジル代表 in国立競技場 ― その2 ―」

開始早々から、日本が守備を固めていると見るとブラジル代表は前線に枚数を増やし攻め立てます。バイタルエリアでネイマールがヒールキックし、観客がどよめき、それに反応したバケタがシュートするがゴールバーに当たり得点にならず。このプレーがこの試合の最初のポイントでした。このゴールが決まっていれば全く違った展開になっていたかもしれませんが、ここを凌いだ日本代表は当初のゲームプランである前半を守備的に進め0点で抑える展開になりました。この試合でブラジル代表は何回かヒールキックを使っています。日本代表は全くないんじゃないかな。そして、ボールを奪ってから前線への1本のパスからそれに連動する2番目、3番目の選手の一連のプレースピード・質や個のチカラはもちろん凄いけど、それ以上にアタッキングサードでのワンツーや壁パスのダイレクトに動かす組織力・コンビネーションは凄い、ここに現代サッカーの未来を感じました。このクリエイティブなプレーを見て、U12年代の選手たちが持っている個性(ストロングポイント)やクリエイティブで自由な発想のプレーを育成しないといけないと強く感じました。指導者がポジションでプレーを固める、制限させることはクリエイティブなプレーは生まれないな(もちろん最低限のプレーはあるが)、チャレンジすることを恐れないことがやはり大事だと再認識しました。

また、外国人指導者が日本人選手に対して、マリーシアが足りないとよく言われます。もう1点感じたことはマリーシアです。マリーシアの意味は、「駆け引きが上手い」、「したたかな試合運び」「経験豊富な知的なプレー」とされています。後半、ブラジルのゴールキックの時、日本人選手が前線に2枚、サイドも高くしGKからDFに繋ぐボールを高い位置で取りにいこうとした時、ブラジルGKが大きく前線に蹴る合図をしてDFを上げさせ、日本人選手が下がった時、急にブラジルのDFの選手が下がり、GKからDFへパスを繋ぎビルドアップしました。いやぁ、マリーシアだなと感心しました。

日本代表選手も今回、初めて見る選手がいる中で、球際の攻防でのデュエルや前線への意図のあるパス、スペースがあればボールを運ぶ力、ボールを受ける前のボディシェイプ、オフザボールの視野の確認、中田英寿がボランチにいるわと感心した遠藤航選手です。後半、センターサークル付近で相手にボールを奪われ一瞬、やばいと感じた時、遠藤選手はファールをしてプレーを切りました。ファールは良くないが、あのエリアのファールはある種のマリーシアなプレーだなと思いました(その時、ブラジル選手は誰も文句を言わなかった)。もう一人、ネイマールの胸トラップからのボレーシュートを、身体を張ってブロックした板倉選手も能力の高い選手です。富安選手とのプレーも見たいところです。

結果は0対1で負けましたが、課題と収穫のあった試合でした。今の日本代表は強豪相手にこのような戦い方になると思います(カタールW杯のドイツやスペインには)。11月21日カタールワールドカップ2022が開幕します。どんなプレーが見られるか今から楽しみです。

頑張れ、SAMURAI BLUE! 日本代表! 森保JAPAN!