<Vol.10>「夏休みの課題図書 ―教えないスキル その2―」

佐伯氏は「指導者は選手の学びのチャンスを創出するファシリテーター(潤滑油)にすぎない」と言っています。指導者は、我が強く自分の思うスタイル、理論のこだわりが強い。それが強すぎると視野が狭くなり他者の意見を受入れいれられなくなり、指導者の成長が止まってしまう。私たち指導者がよく口にする言葉で「勝つ・結果・相手」。「勝つには…」や「相手のフォワードが…」は選手がやること、実は指導者にはどうにもできない。また、「プレスが遅れているぞ」、「左が空いているよ」等は指導者が自分の答えを押し付けている。選手が考える機会を指導者が削除している、選手を主語にしないといけない(自戒の念)。
そこでビジャレアルの育成は選手に問いかけ、オープンクエスチョン「どうして?」「どのように?」を行い、選手は何をやっても、何を言っても受け入れられると心を開く。安心安全な環境を提供することこそ選手は成長できるのです。

「失敗できる環境を提供できることが選手として学びのチャンスを与える」

「日本のスポーツ界は一生懸命に頑張る文化はあるけど、選手が自ら考えて行動する文化がない」

これは、日本の教育の問題です。根が深い、でもここに挑戦しないといけない。

また、子供の成長スピードは個々で異なりその差は激しい。この年代は我慢の連続だと思う

  • 主観だけで考える癖をなくす
    「この選手はこういう選手」と主観でラベリングしない。
  • 自分の考えを一方的に伝達しない
    一方的に伝達するだけでは選手は何も考えず言うことを聞くだけ。
  • 答えに正解はない
    まさにその通りで、サッカーの答えに正解はない。不確実なスポーツだからこそ1点を入れる(入れさせない)ことのなんて難しいスポーツか。

そして、日本とスペインの練習時間の長さの違いです。スペイン(U12年代)では、週3日、1回当り75分、冬休みや夏休みもしっかり取る。指導者はより内容の濃い質の高い練習を用意するのが力の見せ所だそうです。また試合では、全員の出場が義務付けられていて、サスペンションが課せられる。日本では考えられない。日本はたくさん練習したら上手くなるという呪縛に皆が縛られている。このことはイチロー選手が高校野球を指導しているテレビ番組の中でも同じようなことを言っていました。

この著書の中には、気づきと内省がいっぱいあります。何度も読み返して咀嚼してこれからの育成に生かしていきたいと考えています。

 

いつか話を聞きたいな、いっぱい質問したいな。

日本サッカーの発展には育成しかない、これからも頑張ってください。

ありがとう、ゆりこさま!